FAXをやめたい。でもやめられない
FAXをやめたい。でも、コストの壁が大きい。
「紙の管理が面倒になってきた」
「FAX機の維持費や消耗品のコストがバカにならない」
「テレワークが増えた今、出社してFAXを確認するのは非効率すぎる」
FAXの利用に、少しずつ“限界”を感じている企業が増えています。
機器代・リース代・用紙・トナー・回線費・メンテナンス…。
表には出づらいものの、FAXには確実に“運用コスト”がかかっているのです。
例えば、モノクロ印刷1枚あたりのカウンター料金は約2〜3円、カラー印刷では約15〜25円が相場とされています。
さらに、FAX送信には通信料が発生し、3分あたり約9円程度の費用がかかります。
これらの費用が積み重なることで、年間のFAX運用コストは想像以上に膨らんでいる可能性があります。
とはいえ、「じゃあ今日からやめよう」とは簡単にいきません。 多くの企業が、「やめたいのに、やめられない」というジレンマを抱えています。
維持費も手間もかかるのに、使い続ける理由とは?
FAXが未だに使われ続けているのには、明確な理由があります。 まず、FAXには他の手段にはない“独自の強み”があります。
・送信者情報が明確で、いたずらや誤送信が起きにくく、信頼性が高い
・電話番号さえあればすぐに送信でき、緊急対応に向いている
・IT知識が不要で、誰でも使えるシンプルさ
このような理由から、FAXは単なる“古いツール”ではなく、「確実に届けたい場面で役立つ手段」として、特に建設業や医療業界、物流、製造、卸売など、業界全体で使い続けられている現実があります。
さらに、取引先がFAX前提で業務を回している以上、自社だけが「今日からクラウドに切り替えました」とは言えません。
FAXをやめるには、自社と取引先の両方の体制を見直し、業務フローを調整する必要があるため、現場からすれば「やめるほうが大変」という判断になりやすいのです。
つまりFAXは、「残っている」のではなく、“残さざるを得ない”。 それが、やめたいのにやめられないという、企業の抱える“構造的な課題”なのです。